囂kamabisuan庵

2016  2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 now
1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12

2月11日

洒堂に贈る

湖水の磯を這ひ出でたる田螺一疋、
芦間の蟹の鋏を恐れよ。牛にも馬にも踏まるる事なかれ。

難波津や田螺の蓋も冬ごもり 芭蕉
(なにわづや たにしのふたも ふゆごもり)

元禄六年十月。職業俳諧師を志し、この年の夏大坂に進出した、近江蕉門の洒堂に対するエールの句と人はいう。

さすれば随分と辛口のエールですな。

やれやれ、大坂に出てヤバかったら、頭隠して殻に閉じこもって死んだふりが一番!!だからね。と。

これ、酒堂の実力を「まだまだお主はそんなに大したことないぞ!」と、逆に皮肉ってるとすれば、お互いに、忖度なしで気分がいい師弟関係ですな。

いやいや!芭蕉さん、本当は合理的な「平和が先ず第一」の平和主義者だったかもですな。

さて、かつてナポレオンもヒトラーも撃退した「冬将軍」が、次期日本の防衛を担わせようという名目で、実は、トランプのご機嫌取りで安倍が導入を決めた、いろいろと酷評話題の米海兵隊のオスプレイを撃退しました。

いやはや現実には、なんとも無駄な話ですな。

ありもしない事に血なまこになる不合理!

もっと医療とか福祉とか教育に、税金を使ってくださいな。

蝦夷の地やトンボの羽も空回り 半可ξ
(えぞのちや とんぼのはねも からまわり)


拡大する

2月12日

曾良何某は、このあたりに近く、仮に居をしめて、朝な夕なに訪ひつ訪はる。我がくひ物いとなむ時は、柴折りくぶる助けとなり、茶を煮る夜は、来たりて軒をたたく。性、隠閑を好む人にて、交り金を断つ。ある夜、雪を訪はれて、

                君火をたけよき物見せん雪丸げ 芭蕉
(きみひをたけ よきものみせん  ゆきまるげ)

芭蕉さん
余興に、雪をコロコロ転がして、雪だるまでも作ってあげようとでもしているのだろうか。

井泉水は「芭蕉さま」で朱盆に雪うさぎと書いている。

ところで、小さな嘘がコロコロ転がってとてつもなく大きな嘘になるという「雪まろげ」つうお芝居もあるそうだ。

そういえば、晋三何某、割り勘で遊ぼうぜ、お店はオイラの行きつけのアソコを手配しておくから、と、形式的に会費は集めたが、それをいい事にお店にスペシャルサービスさせて、いっぱいのお友達と懇親したのに、世間からやりすぎじゃん?と文句を言われている。

何某オッチャン「今度の土曜日、また頼むわ。」
お店「はいはい、何人で?」
何某オッチャン「800ってとこかな」
お店「毎度毎度ありがとうございます。」
何某オッチャン「で、一人いくらでいい?」
お店「今度も、ゲーセンで!」
何某オッチャン「OKOK、うんとサービスしてや!」
お店「はいはい!アーさんには、ほかの宴会なんかで、たんとうちには貯金がありますから、不足分は、そっちでなんとかいたします。」
何某オッチャン「そこんとこ 特によろ!」

こんな感じで何某オッチャン段取って、宴会はそれなりに盛り上がって終了したんだと。

そうそう、この会はお店と参加者の一対一の取引なんだって。

そんで、この会の見積書はなくて、参加者一人一人に領収書渡したんだって。

何某オッチャン曰く、皆さんも割り勘で居酒屋に行くとき見積書は取らんでしょとさ。

でもね、こん時の参加者の領収書、たった一枚も出てこないんだって。

何某オッチャンは天才だね。
何でもかんでもコロコロ転がして、奇妙な話を作る・・

君吐け吐け異なもの見せん嘘まろげ 半可ξ
(きみはけはけ いなものみせん うそまろげ)

おかげ?で、ここんところインターネットで予算委員会の中継見っぱなしで、運動不足気味がやばい。


拡大する

2月13日

ある人の追善に

埋火も消ゆや涙の烹ゆる音 芭蕉
(うずみびも きゆやなみだの にゆるおと)

元禄元年。

私事だが、今週末に父の十三回忌があるので南行のつもりだが、例年このころは春の大寒波で飛行機が飛ぶか飛ばないでスケジュールがガタガタした記憶がある。

西暦2020年は記録的な小雪で、温暖。降ればまた記録的な重たいドカ雪。

大通りの雪祭りも、例年の2倍以上の遠方の山奥に雪を集めに行ったそうだ。

例年は、祭りが終わればもう直ぐ春だなという感じなのだが、西暦2020年は、なんともはや「初夏」の訪れにびっくり。

無駄に年を重ねたおかげで、年々目に見えて季節の変わり目の前倒し傾向が増していることがわかる。

このことは自然の摂理というよりも、人類そのものの持つ欲の仕業が多いに加担した結果だと思う。

いづれにしても、地球規模から見れば地球上の全ての生物も鉱物も原子も分子も何もかもゆるゆると変容を続けているものだ。

だから、殊更現文明の無知無謀と騒ぐこともない。

生存なんて、滅びのために用意された形而下(感傷的形態)のものとしての、生物個体のもつ記憶(記録)でしかないのだ。

何んて言っちゃったら、元も子もない。
余は、殊更、現文明の無知無謀を非難する。

パリの灯の消ゆや涙の烹ゆる音 半可ξ
(ぱりのひの きゆやなみだの にゆるおと)

まじに人類は欲望生活をおさえて地球温暖化をくい止めるべきだと思う。


拡大する

西暦2020年の春の「初夏日和の日」なれば記す。

囂kamabisuan庵