幸いなことにこのパノラマ写真の一番右の長崎製鉄所の写真に写る建物のうち四棟には間口奥行棟下までの寸法のDataが残っている。いずれのDataも大雑把な捉え方で、これらの建物の正確なサイズを示すものではないが、大凡の客観資料と見てよいと思う。
出典は「海軍歴史」と「長崎造船所史」で、両書とも国会図書館のデジタルライブラリーで閲覧できる。
工作所
間口 十五丈四寸
奥行 八丈三尺三寸三分五厘
と長崎造船所史に記録がある。
メートル法で
間口 約45.57m 奥行 約25.25m
高さについては記録が無いので、桁下8m屋根髙4mで仮に形状を構成し、小煙突や煙出しも仮に設置して置く。
なお、鍛冶場と細工所は海軍歴史に記録がある。
一番ど真ん中にある建物が工作所である。
「長崎造船所史」に平面部分のサイズが載っているが、高さについてはなにもない。だからといって、ガッカリはしない。
写真をみて、高さについては大凡で作画をしておけばこの段階では十分である。
それに、余の場合はあらかじめ方眼紙で各々の三面図を書いておく。後に調整の内容を、この三面図にメモしておくためだ。
Shadeはとても良く出来ていて、いとも簡単に直感的に「ちゃっちゃ」と手が加えられるので、とりあえずプロセスをアナログチックに押さえておくのがカシコイと既に学習しているためだ。
そんなかんなで、四棟の形状Dataが完成したら、次はそれらの配置と修正である。
地図上に大凡の当たりをを付けて配置する。
Shadeには三面図をもとに、任意の視点からの透視図を作ってくれる画面がある。
ここにテンプレートとしてレイアウトの見本となる写真を貼り付けておけばこれを当てに、前後左右上下を探りながら正確なカタチを確認できるのである。
右上画面の透視図のワイヤー図形の作業所を観察しながら、透視図のテンプレート写真に重なるように配置を調整する。
屋根の高さなどは配置が決まったら、テンプレート写真に合わせて調節する。
テンプレート写真にピッタリ重なるまで調整と確認を続ける。
以後サイズが判明している細工所・鍛冶場・工作所が基準となって他の建物の配置を決めていく。
次回へ つづく