Hello 半可 ξ 囂庵 world!

ここは単に 半可 ξ(はんかくさい)囂庵(ごうあん)のperlを練習する場所だから、ご来場者の皆さまにはとくにおもろいものはありません。ごめんξ。

*注 はんかくさい 北海道の方言で「ばかげた。あほらしい。」

「今日の芭蕉句からランダムチョイス」

660: 当帰よりあはれは塚の菫草

713: 南無ほとけ草の台も涼しかれ

1086: よき家や雀よろこぶ背戸の秋

250: 鰹売りいかなる人を酔はすらん

680: 永き日も囀り足らぬひばり哉

「今日の芭蕉句archive」へGo!

LocalTimeをまんま表記すると
Thu Oct 30 00:05:46 2025

表記を変えると
2025年10月30日 0時5分46秒 木曜日 元旦から303日目

このdataを利用して、取り敢えず今年の消費日数グラフを表示した。

2025年10月30日 0時5分46秒 木曜日

只今現在 今年は 82.74% 302.00日 終了。残り約17%。

82.74%
2025年 10月

30

木曜日

このあとに fileからhtmlを読み込んで書く練習

◆水島流「ローストビーフ」レシピ
<材料>
・牛肉(肩・モモなど)   500g
・塩            小さじ2/3
・コショウ         適量
・ぶどう          500g
・セルバチコ(ルッコラ)  適量

(ソース)
・はちみつ         30g(大さじ2)
・水            20g(大さじ1・1/3)
・醤油           20g(大さじ1・1/3)
・ビネガー         小さじ1
・コワントロー       10g(小さじ2)

<作り方>
(1)肉の重さの93%を算出する。(500gなら465g)
   オーブンを予熱120℃で温めておく。
(2)肉の表面にサラダオイルを塗り、バットに足つきの揚げ網を乗せ、その上に肉を乗せる。
(3)オーブンに入れる。
   その際に、傍らに付け合わせのぶどうを房ごとバットに乗せて入れる。
   ぶどうは40分焼いて取り出す。
(4)30分経ったら、肉の上下を反転させ、さらに20分焼く。
(5)取り出して重さが目的の重量になっていれば良い。
   多少の前後は問題ありません。
(6)表面に分量の半分の塩をして、熱々に熱したフライパンにサラダオイルをしき、
   両面に焼き色をつける。(各面20秒ずつくらい)
(7)ホイルに包んで5分おく。
(8)その間に鍋にソースの調味料を全て入れ、強火で20秒煮立てる。
   別添えの器に盛る。
(9)ローストビーフを切り分け、切り口表面に残りの塩をする。
(10)皿にぶどうとセルバチコを盛り、ローストビーフをソースを添えて完成です。

【ポイント】
・温度は変えず、最初から最後まで120℃で焼く

**htmlのdlタグ(項目)とddタグ(説明)はじめて知り使う。

◆水島流「肉じゃが」レシピ

<材料>(2人前)
・じゃが芋(男爵)  270g
・玉ねぎ       60g
・牛スライス     80g
・絹さや       6枚
・醤油        15g(大さじ1)
・塩         1g(小さじ1/5)
・砂糖        15g(大さじ1)
・水          150~200cc
・酒          20cc

<作り方>
(1)じゃが芋は皮をむき、4cmくらいの大き目の一口大に切る。
   玉ねぎは櫛形で大きめに切る。
   牛スライスは、4cmくらいの大きさに切る。
   絹さやは、筋とへたを除去しておく。
(2)フライパンにじゃが芋と玉ねぎと牛スライスを入れて、量りにのせる。
(3)かぶるくらいの薄い塩水(0.8%)を入れる。
(4)弱い中火にかけ、ゆっくり55℃まで温度を上げる(5分くらい)
(5)55℃になったら、火を止めて、蓋をして5分おく。
(6)ザルで湯切りをして、軽く流し、湯ですすぎ、水気をきる。
(7)同じフライパンにサラダオイル小さじ2(10cc)をひき、中火で温める。
(8)十分に温まったら(軽くうす煙がでるくらい)、一気に肉と野菜を入れて、
   箸で混ぜながらさっと炒める。(30秒ほど。肉の赤みがなくなるくらい)
(9)水、酒、塩、醤油、砂糖を加えて、落し蓋をして、
弱い中火で軽く煮立っている状態で煮あげる。(10~15分)
(10)じゃが芋に串が通り、煮汁が煮詰まっていれば良い。
(11)絹さやは濃いめ(1.5%)の塩水を沸騰させたところに2分入れて、
   冷水で粗熱をとっておく。
(12)器に盛り付けて完成です。

【ポイント】
・最初に弱火で火を通しておけば、そのあと煮ても固くなりにくい
・弱火でゆっくり加熱し、アクを出し切る
・弱火で加熱することで、野菜に皮膜ができ、荷崩れしにくい状態になる

芭蕉発句全集(50音順 全1,066句)
於春々大哉春と云々
青くてもあるべきものを唐辛子
青ざしや草餅の穂に出でつらん
青柳の泥にしだるる潮干かな
あかあかと日はつれなくも秋の風
秋風に折れて悲しき桑の杖
秋風の吹けども青し栗の毬
秋風の遣戸の口やとがり声
秋風や桐に動きて蔦の霜
秋風や薮も畠も不破の関
秋来にけり耳を訪ねて枕の風
秋来ぬと妻恋ふ星や鹿の革
秋涼し手ごとにむけや瓜茄子
秋近き心の寄るや四畳半
秋十年却って江戸を指す故郷
秋に添うて行かばや末は小松川
秋の色糠味噌壷もなかりけり
秋の風伊勢の墓原なほ凄し
秋の夜を打ち崩したる咄かな
秋の夜を打ち崩したる咄かな
秋深き隣は何をする人ぞ
秋もはやはらつく雨に月の形
秋を経て蝶もなめるや菊の露
曙はまだ紫にほととぎす
曙やまだ朔日にほととぎす
あけぼのや白魚白きこと一寸
明け行くや二十七夜も三日の月
あこくその心も知らず梅の花
朝顔に我は飯食う男哉
朝顔は酒盛知らぬ盛り哉
朝顔は下手の書くさへあはれなり
蕣や是も又我が友ならず
朝顔や昼は錠おろす門の垣
朝茶飲む僧静かなり菊の花
朝露や撫でて涼しき瓜の土
朝露によごれて涼し瓜の土
朝な朝な手習ひすすむきりぎりす
あさむつや月見の旅の明け離れ
あさむつを月見の旅の明け離れ
朝夜さを誰がまつしまぞ片心
足洗うてつひ明けやすき丸寝かな
紫陽花や帷子時の薄浅黄
紫陽花や薮を小庭の別座舗
明日の月雨占なはん比那が嶽
明日は粽難波の枯葉夢なれや
遊び来ぬ鰒釣りかねて七里まで
あち東風や面々さばき柳髪
暑き日を海に入れたり最上川
あつみ山や吹浦かけて夕涼み
あなたふと木の下闇も日の光
あなむざんや甲の下のきりぎりす
あの雲は稲妻を待つたより哉
あの中に蒔絵書きたし宿の月
海士の顔まづ見らるるや芥子の花
海士の屋は小海老にまじるいとど哉
雨折々思ふことなき早苗哉
雨の日や世間の秋を堺町
あやめ生ひけり軒の鰯のされかうべ
あやめ草足に結ばん草履の緒
鮎の子の白魚送る別れ哉
荒海や佐渡に横たふ天の河
嵐山藪の茂りや風の筋
あらたふと青葉若葉の日の光
あら(な)たふと木の下闇も日の光
あら何ともなや昨日は過ぎて河豚汁
霰聞くやこの身はもとの古柏
霰せば網代の氷魚を煮て出さん
霰まじる帷子雪は小紋かな
有明も三十日に近し餅の音
有難き姿拝まんかきつばた
ありがたやいただいて踏む橋の霜
ありがたや雪をかをらす南谷
ありとある見立てにも似ず三日の月
ありとある譬にも似ず三日の月
粟稗にとぼしくもあらず草の庵
粟稗にまづしくもなし草の庵

家はみな杖に白髪の墓参り
烏賊売の声まぎらはし杜宇
いかめしき音や霰の檜木笠
生きながら一つに氷る海鼠かな
幾霜に心ばせをの松飾り
いざ出でむ雪見にころぶ所まで
いざ子供走りありかん玉霰
いざ子供昼顔咲きぬ瓜剥かん
いざ子供昼顔咲かば瓜剥かん
いざさらば雪見にころぶ所まで
いざ共に穂麦喰はん草枕
いざ行かむ雪見にころぶ所まで
いざよひのいづれか今朝に残る菊
十六夜の月と見やはせ残る菊
十六夜はわづかに闇の初め哉
十六夜もまだ更科の郡かな
十六夜や海老煮るほどの宵の闇
漁り火に鰍や浪の下むせび
石枯れて水しぼめるや冬もなし
石の香や夏草赤く露暑し
石山の石にたばしる霰哉
石山の石より白し秋の風
いづく時雨傘を手に提げて帰る僧
市人にいで是売らむ笠の雪
市人よこの笠売らう雪の笠
五つ六つ茶の子にならぶ囲炉裏哉
凍て解けて筆に汲み干す清水哉
いでや我よき布着たり蝉衣
糸桜こや帰るさの足もつれ
糸遊に結びつきたる煙哉
稲雀茶の木畠や逃げ処
稲妻に悟らぬ人の貴さよ
稲妻や顔のところが薄の穂
稲妻や闇の方行く五位の声
稲妻を手にとる闇の紙燭哉
稲こきの姥もめでたし菊の花
稲こきの姥もめでたし庭の菊
猪の床にも入るやきりぎりす
猪もともに吹かるる野分かな
猪のともに吹かるる野分哉
命こそ芋種よまた今日の月
命なりわづかの笠の下涼み
命二つの中にいきたる桜かな
芋洗ふ女西行ならば歌詠まむ
芋植ゑて門は葎の若葉かな
芋種や花の盛りに売り歩く
芋の葉や月待つ里の焼畑
いらご崎似るものもなし鷹の声
入逢の鐘もきこえず春の暮
入りかかる日も糸遊の名残かな
入りかかる日もほどほどに春の暮
入る月の跡は机の四隅哉
色付くや豆腐に落ちて薄紅葉
岩躑躅染むる涙やほととぎ朱

植うる事子のごとくせよ児桜
魚鳥の心は知らず年忘れ
うかれける人や初瀬の山桜
憂き人の旅にも習へ木曽の蝿
憂き節や竹の子となる人の果て
憂きわれを寂しがらせよ秋の寺
憂き我をさびしがらせよ閑古鳥
鶯の笠落したる椿かな
鶯や竹の子薮に老を鳴く
鶯や柳のうしろ薮の前
鶯や餅に糞する縁の先
鶯を魂にねむるか矯柳
牛部屋に蚊の声暗き残暑哉
牛部屋に蚊の声弱し秋の風
埋火も消ゆや涙の烹ゆる音
埋火や壁には客の影法師
うたがふな潮の花も浦の春
打ち寄りて花入探れ梅椿
うち山や外様しらずの花盛り
団扇もてあふがん人のうしろむき
美しきその姫瓜や后ざね
卯の花も母なき宿ぞ冷じき
卯の花や暗き柳の及び腰
姥桜咲くや老後の思ひ出
馬方は知らじ時雨の大井川
馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり
馬に寝て残夢残月茶の煙
馬ぼくぼく我を絵に見る夏野かな
馬ぼくぼく我を絵に見ん夏野哉
馬をさえ眺むる雪の朝かな
海暮れて鴨の声ほのかに白し
海は晴れて比叡降り残す五月哉
梅が香に追ひもどさるる寒さかな
梅が香にのつと日の出る山路哉
梅が香に昔の一字あはれなり
梅が香やしらら落窪京太郎
梅が香や見ぬ世の人に御意を得る
梅恋ひて卯の花拝む涙かな
梅白し昨日や鶴を盗まれし
梅椿早咲き褒めん保美の里
梅の木に猶宿り木や梅の花
梅稀に一もとゆかし子良の舘
梅柳さぞ若衆かな女かな
梅若菜丸子の宿のとろろ汁
うらやまし浮世の北の山桜
瓜作る君があれなと夕涼み
瓜の皮剥いたところや蓮台野
瓜の花雫いかなる忘れ草

叡慮にて賑わふ民の庭竈
枝ぶりの日ごとに変る芙蓉かな
枝もろし緋唐紙破る秋の風
榎の実散る椋の羽音や朝嵐
恵比須講酢売に袴着せにけり
艶ナル奴今様花に弄斎ス

老の名のありとも知らで四十雀
笈も太刀も五月に飾れ紙幟
大井川波に塵なし夏の月

清滝や波に塵なき夏の月
狼も一夜はやどせ萩がもと
扇にて酒くむかげや散る桜
扇子にて酒くむ花の木陰かな
祖父親孫の栄えや柿蜜柑
大津絵の筆のはじめは何仏
大比叡やしの字を引いて一霞
大比叡やしを引き捨てし一霞
近江蚊屋汗やさざ波夜の床
起きあがる菊ほのかなり水のあと
荻の声こや秋風の口うつし
荻の穂や頭 をつかむ羅生門
起きよ起きよ我が友にせん寝る胡蝶
送られつ別れつ果ては木曽の秋
送られつ送りつ果ては木曽の秋
御子良子の一本ゆかし梅の花
幼名や知らぬ翁の丸頭巾
落ち来る高久の宿の郭公
衰ひや歯に喰ひ当てし海苔の砂
己が火を木々に蛍や花の宿
小野炭や手習ふ人の灰ぜせり
御命講や油のような酒五升
思ひ立つ木曽や四月の桜狩り
俤や姥ひとり泣く月の友
おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな
おもしろき秋の朝寝や亭主ぶり
面白し雪にやならん冬の雨
おもしろや今年の春も旅の空
阿蘭陀も花に来にけり馬に鞍
折々に伊吹を見ては冬籠り
折々は酢になる菊の肴かな

顔に似ぬ発句も出でよ初桜
かゝり火に河鹿や波の下むせひ
杜若語るも旅のひとつかな
杜若似たりや似たり水の影
杜若われに発句の思ひあり
牡蠣よりは海苔をば老の売りもせで
隠さぬぞ宿は菜汁に唐辛子
隠れ家や月と菊とに田三反
隠れ家や目だたぬ花を軒の栗
かくれけり師走の海のかいつぶり
景清も花見の座には七兵衛
桟橋や命をからむ蔦葛
桟橋や先づ思い出づ駒迎へ
影は天の下照る姫か月の顔
影待や菊の香のする豆腐串
かげろふに俤つくれ石の上
かげろふの我が肩に立つ紙子かな
陽炎や柴胡の糸の薄曇り
風色やしどろに植ゑし庭の秋
笠島はいづこ五月のぬかり道
笠寺や漏らぬ岩屋も春の雨
笠もなきわれを時雨るるかこは何と
樫の木の花にかまはぬ姿かな
被き伏す蒲団や寒き夜やすごき
数ならぬ身とな思ひそ玉祭
風薫る羽織は襟もつくろはず
風の香も南に近し最上川
風吹けば尾細うなる犬桜
数へ来ぬ屋敷屋敷の梅柳
かたつぶり角振り分けよ須磨明石
語られぬ湯殿にぬらす袂かな
徒歩ならば杖突坂を落馬かな
鰹売りいかなる人を酔はすらん
桂男すまずなりけり雨の月
門松やおもへば一夜三十年
悲しまんや墨子芹焼を見ても猶
香に匂へうに掘る岡の梅の花
鐘消えて花の香は撞く夕哉
鐘撞かぬ里は何をか春の暮
夏馬の遅行我を絵に見る心かな
夏馬ぼくぼく我を絵に見る茂り哉
夏馬ぼくぼく我を絵に見る心哉
甲比丹もつくばはせけり君が春
鎌倉を生きて出でけん初鰹
鎌倉は活きて出でけんはつがつお
噛み当つる身のおとろひや海苔の砂
神垣や思ひもかけず涅槃像
紙衣の濡るとも折らん雨の花
紙子着て濡るとも折らん雨の花
髪生えて容顔青し五月雨
瓶割るる夜の氷の寝覚め哉
傘に押し分けみたる柳かな
辛崎の松は花より朧にて
乾鮭も空也の痩も寒の中
唐破風の入日や薄き夕涼み
刈り跡や早稲かたかたの鴫の声
刈りかけし田面の鶴や里の秋
雁聞きに京の秋に赴かん
雁さわぐ鳥羽の田面や寒の雨
借りて寝ん案山子の袖や夜半の霜
枯枝に烏のとまりたるや秋の暮
枯芝ややや陽炎の一二寸
獺の祭見て来よ瀬田の奥
川風や薄柿着たる夕涼み
川上とこの川下や月の友
香を探る梅に蔵見る軒端かな
香を探る梅に家見る軒端哉
香を残す蘭帳蘭のやどり哉
寒菊や醴造る窓の前
寒菊や粉糠のかかる臼の端
元日は田毎の日こそ恋しけれ
元日や思えばさびし秋の暮
観音のいらか見やりつ花の雲
灌仏の日に生まれあふ鹿の子かな
灌仏や皺手合する数珠の音

菊鶏頭切り尽しけり御命講
菊に出でて奈良と難波は宵月夜
菊に出でて奈良と難波は宵月夜
菊の香にくらがり登る節句かな
菊の香や奈良には古き仏たち
菊の香や奈良は幾世の男ぶり
菊の香や庭に切れたる靴の底
菊の露落ちて拾へば零余子かな
菊の後大根の外更になし
菊の花咲くや石屋の石の間
象潟や雨に西施が合歓の花
象潟の雨や西施が合歓の花
木曽の情雪や生えぬく春の草
木曽の橡浮世の人の土産かな
木曽の痩せもまだなほらぬに後の月
木啄も庵は破らず夏木立
来てみれば獅子に牡丹のすまひかな
きてもみよ甚平が羽織花衣
碪打ちてわれに聞かせよ坊が妻
昨日からちょつちょと秋も時雨かな
木のもとに汁も膾も桜かな
きみ火をたけよき物見せん雪丸げ
君や蝶我や荘子が夢心
清く聞かん耳に香焼いて郭公
狂句木枯しの身は竹斎に似たるかな
京に飽きてこの木枯や冬住ひ
京にても京なつかしやほととぎす
けふの今宵寝る時もなき月見哉
京は九万九千くんじゅの花見哉
今日ばかり人も年寄れ初時雨
京まではまだ半空や雪の雲
今日よりや書付消さん笠の露
清滝の水汲ませてやところてん
清滝や波に塵なき夏の月
清滝や波に散り込む青松葉 大井川波に塵なし夏の月
梧動く秋の終りや蔦の霜
きりぎりす忘れ音に啼く火燵哉
霧雨の空を芙蓉の天気哉
霧しぐれ富士を見ぬ日ぞおもしろき
桐の木に鶉鳴くなる塀の内
木を切りて本口見るや今日の月

愚案ずるに冥土もかくや秋の暮
水鶏啼くと人のいへばや佐屋泊り
草いろいろおのおの花の手柄かな
草の戸に茶を木の葉掻く嵐哉
草の戸の月やそのままあみだ坊
草の戸も住み替る代ぞ雛の家
草の戸も住み替る代や雛の家
草の戸や日暮れてくれし菊の酒
草の戸を知れや穂蓼に唐辛子
草の葉を落つるより飛ぶ螢哉
草枕犬も時雨るるか夜の声
草枕まことの華見しても来よ
草も木も離れ切つたるひばりかな
葛の葉の面見せけり今朝の霜
薬飲むさらでも霜の枕かな
草臥れて宿かるころや頃や藤の花
口切に堺の庭ぞなつかしき
国々の八景さらに気比の月
愚に暗く茨を掴む蛍かな
熊坂がゆかりやいつの玉祭
雲をりをり人をやすめる月見かな
雲霧の暫時百景を尽しけり
雲とへだつ友かや雁の生き別れ
蜘何と音をなにと鳴く秋の風
雲の峰いくつ崩れて月の山
雲を根に富士は杉形の茂りかな
鞍壷に小坊主乗るや大根引
暮れ暮れて餅を木魂の侘寝哉
黒森をなにといふとも今朝の雪
椹や花なき蝶の世捨酒

鶏頭や雁の来る時なほ赤し
けごろもにつつみて温し鴨の足
今朝の雪根深を園の枝折哉
消炭に薪割る音かをのの奥
実にや月間口千金の通り町

声澄みて北斗にひびく砧哉
声よくば謡はうものを桜散る
鸛の巣に嵐の外の桜哉
鸛の巣も見らるる花の葉越し哉
紅梅や見ぬ恋作る玉簾
蝙蝠も出でよ浮世の華に鳥
氷苦く偃鼠が喉をうるほせり
木隠れて茶摘みも聞くやほととぎす
木枯に岩吹きとがる杉間かな
凩に匂ひやつけし返り花
木枯しや竹に隠れてしづまりぬ
こがらしや頬腫痛む人の顔
苔埋む蔦のうつつの念仏哉
九たび起きても月の七ツ哉
腰長や鶴脛ぬれて海涼し
梢よりあだに落ちけり蝉の殻
小鯛插す柳涼しや海士が家
こちら向け我もさびしき秋の暮
胡蝶にもならで秋経る菜虫哉
琴箱や古物店の背戸の菊
子供等よ昼顔咲きぬ瓜剥かん
子に飽くと申す人には花もなし
この秋は何で年寄る雲に鳥
このあたり目に見ゆるものは皆涼し
この海に草鞋捨てん笠時雨
この梅に牛も初音と鳴きつべし
この心推せよ花に五器一具
この種と思ひこなさじ唐辛子
この槌のむかし椿か梅の木か
この寺は庭一盃のばせを哉
木の葉散る桜は軽し檜木笠
この螢田毎の月にくらべみん
このほどを花に礼いふ別れ哉
この松の実生えせし代や神の秋
この道を行く人なしに秋の暮
人声やこの道帰る秋の暮
この宿は水鶏も知らぬ扉かな
この山のかなしさ告げよ野老掘
小萩散れますほの小貝小盃
御廟年経て偲ぶは何をしのぶ草
古法眼出どころあはれ年の暮
細かなる雨や二葉のなすび種
米買ひに雪の袋や投頭巾
籠り居て木の実草の実拾はばや
薦を着て誰人います花の春
今宵誰吉野の月も十六里
今宵の月磨ぎ出せ人見出雲守
これや世の煤に染まらぬ古合子
衣着て小貝拾はん種の月
ごを焚いて手拭あぶる寒さ哉
ごを焚いて手拭あぶる氷哉
蒟蒻に今日は売り勝つ若菜哉
蒟蒻の刺身もすこし梅の花

西行の庵もあらん花の庭
西行の草鞋もかかれ松の露
早乙女に仕形望まんしのぶ摺
盃に泥な落しそ群燕
盃にみつの名を飲む今宵かな
盃の下ゆく菊や朽木盆
盃や山路の菊と是を干す
盛りぢや花に坐浮法師ぬめり妻
盛りなる梅にす手引く風もがな
咲き乱す桃の中より初桜
桜狩り奇特や日々に五里六里
桜より松は二木を三月越し
酒飲みに語らんかかる滝の花
酒のめばいとど寝られぬ夜の雪
篠の露袴に掛けし茂り哉
さざ波や風の薫の相拍子
さざれ蟹足這ひのぼる清水哉
さし籠る葎の友か冬菜売り
さぞな星ひじき物には鹿の革
五月の雨岩檜葉の緑いつまでぞ
里の子よ梅折り残せ牛の鞭
里人は稲に歌詠む都かな
里古りて柿の木持たぬ家もなし
座頭かと人に見られて月見哉
早苗とる手もとや昔しのぶ摺
早苗つかむ手もとや昔しのぶ摺
早苗にも我が色黒き日数哉
さびしげに書付消さん笠の露
さびしさや岩にしみ込む蝉の聲
淋しさや釘に掛けたるきりぎりす
さびしさや華のあたりのあすならふ
さまざまのこと思ひ出す桜かな
寂しさや須磨に勝ちたる浜の秋
五月雨に御物遠や月の顔
五月雨に隠れぬものや瀬田の橋
五月雨に鶴の足短くなれり
五月雨に鳰の浮巣を見にゆかん
五月雨の空吹き落せ大井川
五月雨の降り残してや光堂・
五月雨は滝降り埋むみかさ哉
五月雨も瀬踏み尋ねぬ見馴河
五月雨や桶の輪切るる夜の声
五月雨や蠶煩ふ桑の畑
五月雨や色紙へぎたる壁の跡
五月雨や年々降るも五百たび
五月雨や龍頭あぐる番太郎
五月雨を集めて早し最上川
寒からぬ露や牡丹の花の蜜
さむき田や馬上にすくむ影法師
寒けれど二人寝る夜ぞ頼もしき
寒けれど二人旅寝ぞ頼もしき
皿鉢もほのかに闇の宵涼み
猿引は猿の小袖を砧哉
猿を聞く人捨子に秋の風いかに
猿を泣く旅人捨子に秋の風いかに
さればこそ荒れたきままの霜の宿
三尺の山も嵐の木の葉哉
残暑しばし手毎料れ瓜茄子

椎の花の心にも似よ木曽の旅
汐越や鶴脛ぬれて海涼し
塩鯛の歯ぐきも寒し魚の店
塩にしてもいざ言伝ん都鳥
しをらしき名や小松吹く萩すすき
萎れ伏すや世はさかさまの雪の竹
鹿の角まづ一節のわかれかな
しぐるるや田の新株の黒むほど
時雨をやもどかしがりて松の雪
時雨をばもどきて雪や松の色
閑さや岩にしみ入る蝉の声
静かさや絵掛かる壁のきりぎりす
賎の子や稲摺りかけて月を見る
死にもせぬ旅寝の果てよ秋の暮
しのぶさへ枯れて餅買ふやどりかな
しばし間も待つやほととぎす千年
柴付けし馬のもどりや田植樽
柴の戸に茶を木の葉掻く嵐かな
柴の戸の月やそのまま阿弥陀坊
しばらくは瀧にこもるや夏の初め
しばらくは花の上なる月夜かな
四方より花吹き入れて鳰の波
島々や千々に砕きて夏の海
霜枯に咲くは辛気の花野哉
霜の後撫子咲ける火桶哉
霜を着て風を敷き寝の捨子哉
霜を着て衣片敷く捨子哉
霜を踏んでちんば引くまで送りけり
秋海棠西瓜の色に咲きにけり
錠明けて月さし入れよ浮御堂
少将の尼の話や志賀の雪
丈六に陽炎高し石の上
丈六にかげろふ高し石の跡
死よ死なぬ浮身の果ては秋の暮
初春まづ酒に梅売る匂ひかな
白魚や黒き目を明く法の網
白髪抜く枕の下やきりぎりす
白菊の目に立て見る塵もなし
白菊や目に立て見る塵もなし
白菊よ白菊よ恥長髪よ長髪よ
白芥子に羽もぐ蝶の形見かな
白芥子や時雨の花の咲きつらん
白露もこぼさぬ萩のうねり哉
城跡や古井の清水まづ訪はん
白炭やかの浦島が老の箱
新藁の出初めて早き時雨哉

水学も乗り物貸さん天の川
水仙や白き障子のとも移り
すくみ行や馬上にこおる影法師
涼しさの指図に見ゆる住まゐかな
涼風やほの三日月の羽黒山
涼しさや直に野松の枝の形
涼しさや海に入れたる最上川
涼しさやほの三日月の羽黒山
涼しさを絵にうつしけり嵯峨の竹
涼しさを飛騨の工が指図かな
涼しさをわが宿にしてねまるなり
煤掃は己が棚つる大工かな
煤掃は杉の木の間の嵐哉
雀子と声鳴きかはす鼠の巣
硯かと拾ふやくぼき石の露
須磨寺や吹かぬ笛聞く木下闇
須磨の海士の矢先に鳴くか郭公
須磨の浦の年取り物や柴一把
住みつかぬ旅の心や置炬燵
駿河路や花橘も茶の匂ひ

せつかれて年忘れする機嫌かな
節季候の来れば風雅も師走哉
節季候を雀の笑ふ出立かな
関守の宿を水鶏に問はうもの
芹焼や裾輪の田井の初氷
扇子にて酒くむ花の木陰かな

僧朝顔幾死に返る法の松
蒼海の浪酒臭し今日の月
雑水に琵琶聴く軒の霰かな
草履の尻折りて帰らん山桜
袖の色よごれて寒し濃鼠
袖汚すらん田螺の海士の隙を無み
その形見ばや枯れ木の杖の長
その玉や羽黒にかへす法の月
その匂ひ桃より白し水仙花
そのままよ月もたのまじ伊吹山
蕎麦はまだ花でもてなす山路かな
蕎麦も見てけなりがらせよ野良の萩
剃り捨てて黒髪山に衣更

田一枚植ゑて立ち去る柳かな
内裏雛人形天皇の御宇とかや
たかうなや雫もよよの篠の露
鷹の目も今や暮れぬと鳴く鶉
鷹一つ見付けてうれし伊良湖崎
高水に星も旅寝や岩の上
誰が聟ぞ歯朶に餅負ふ丑の年
茸狩やあぶなきことに夕時雨
茸狩やあぶない事に夕時雨
竹の子や稚き時の手のすさみ
蛸壺やはかなき夢を夏の月
橘やいつの野中の郭公
七夕の逢はぬ心や雨中天
七夕や秋を定むる夜のはじめ
七夕や秋を定むるはじめの夜
種芋や花の盛りに売り歩く
楽しさや青田に涼む水の音
旅烏古巣は梅になりにけり
旅に飽きてけふ幾日やら秋の風
旅に病で夢は枯野をかけ廻る
旅寝して見しやうき世の煤はらい
旅寝して我が句を知れや秋の風
旅寝よし宿は師走の夕月夜
旅人とわが名呼ばれん初しぐれ
旅人の心にも似よ椎の花
玉祭り今日も焼場の煙哉
手向けけり芋は蓮に似たるとて
ためつけて雪見にまかる紙子かな
田や麦や中にも夏のほととぎす
誰やらがかたちに似たり今朝の春
たわみては雪待つ竹の気色かな
たんだすめ住めば都ぞ今日の月

苣はまだ青葉ながらに茄子汁
父母のしきりに恋し雉の声
千鳥立ち更け行く初夜の日枝颪
地に倒れ根に寄り花の別れかな
粽結ふ片手にはさむ額髪
長嘯の墓もめぐるか鉢叩き
蝶鳥の浮つき立つや花の雲
蝶の飛ぶばかり野中の日影哉
蝶の羽のいくたび越ゆる塀の屋根
蝶も来て酢を吸ふ菊の鱠哉
蝶も来て酢を吸ふ菊の酢和哉
蝶よ蝶よ唐土の俳諧問はん
散り失せぬ松や二木を三月越し
散る花や鳥も驚く琴の塵

塚も動けわが泣く声は秋の風
月いづく鐘は沈める海の底
月影や四門四宗もただ一つ
撞鐘もひびくやうなり蝉の声
月か花か問へど四睡が鼾哉
月清し遊行の持てる砂の上
月清し遊行の持てる砂の露
月さびよ明智が妻の話せむ
月十四日今宵三十九の童部
月白き師走は子路が寝覚め哉
月代や膝に手を置く宵の宿
月代や晦日に近き餅の音
月澄むや狐こはがる児の供
月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿
月に名を包みかねてや痘瘡の神
月の鏡小春に見るや目正月
月の中に蒔絵書きたし宿の月
月のみか雨に相撲もなかりけり
月はあれど留守のやうなり須磨の夏
月花の愚に針立てん寒の入り
月華の是やまことのあるじ達
月花もなくて酒のむ独り哉
月はやし梢は雨を持ちながら
月待や梅かたげ行く小山伏
月見する座に美しき顔もなし
月見せよ玉江の芦を刈らぬ先
月見ても物たらはずや須磨の夏
月やその鉢木の日のした面
月雪とのさばりけらし年の暮
作りなす庭をいさむる時雨かな
蔦植ゑて竹四五本の嵐かな
蔦の葉は昔めきたる紅葉哉
躑躅生けてその陰に干鱈割く女
つね憎き烏も雪の朝哉
摘みけんや茶を凩の秋とも知で
露凍てて筆に汲み干す清水哉
露とくとく試みに浮世すすがばや
鶴鳴くやその声に芭蕉破れぬべし
鶴の毛の黒き衣や花の雲

庭訓の往来誰が文庫より今朝の春
手にとらば消えん涙ぞ熱き秋の霜
手鼻かむ音さへ梅の盛り哉
寺に寝てまこと顔なる月見かな
手を打てば木魂に明くる夏の月
天秤や京江戸かけて千代の春

唐辛子思ひこなさじ物の種
冬瓜やたがひに変る顔の形
唐黍や軒端の萩の取りちがえ
当帰よりあはれは塚の菫草
尊がる涙や染めて散る紅葉
尊さに皆おしあひぬ御遷宮
たふとさや雪降らぬ日も蓑と笠
磨ぎなほす鏡も清し雪の花
床に来て鼾に入るやきりぎりす
年暮れぬ笠きて草鞋はきながら
年々や桜を肥やす花の塵
年々や猿に着せたる猿の面
年の市線香買ひに出でばやな
年は人にとらせていつも若夷
土手の松花や木深き殿造り
戸の口に宿札名乗れほととぎす
ともかくもならでや雪の枯尾花
鳥刺も棹や捨てけんほととぎす
蜻蜒や取りつきかねし草の上
どんみりと樗や雨の花曇り

なほ見たし花に明けゆく神の顔
なかなかに心をかしき臘月哉
中山や越路も月はまた命
永き日も囀り足らぬひばり哉
詠むるや江戸には稀な山の月
無き人の小袖も今や土用干
夏かけて名月暑き涼み哉
夏来てもただひとつ葉の一葉かな
夏草に富貴を飾れ蛇の衣
夏草や兵どもが夢の跡・
夏草や我先達ちて蛇狩らん
夏木立佩くや深山の腰ふさげ
夏衣いまだ虱を取り尽さず
夏近しその口たばへ花の風
納豆切る音しばし待て鉢叩き
夏の月御油より出でて赤坂や
夏の夜や崩れて明けし冷し物・
夏の夜や木魂に明くる下駄の音
夏山に足駄を拝む首途かな
夏山や首途を拝む高足駄
夏はあれど留守のやうなり須磨の月
撫子にかかる涙や楠の露
撫子の暑さ忘るる野菊かな
七株の萩の千本や星の秋
なに喰うて小家は秋の柳陰
何事の見立てにも似ず三日の月
何ごとも招き果てたる薄哉
何とはなしに何やらゆかし菫草
何にこの師走の市にゆく烏
何の木の花とはしらず匂かな
難波津や田螺の蓋も冬ごもり
菜畠に花見顔なる雀哉
なまぐさし小菜葱が上の鮠の腸
涙しくや遊行の持てる砂の露
波の花と雪もや水の返り花
波の間や小貝にまじる萩の塵
南無ほとけ草の台も涼しかれ
奈良七重七堂伽藍八重ざくら
なりにけりなりのけりまで年の暮
鳴海潟や青田に変る一みどり

煮麺の下焚きたつる夜寒哉
西か東かまづ早苗にも風の音
似合はしや新年古き米五升
似合はしや豆の粉飯に桜狩り
庭掃いて出でばや寺に散る柳

盗人に逢うた夜もあり年の暮れ
濡れて行くや人もをかしき萩薄

葱白く洗ひたてたる寒さかな
猫の恋やむとき閨の朧月
猫の妻竃の崩れより通ひけり
寝たる萩や容顔無礼花の顔
子の日しに都へ行かん友もがな
涅槃会や皺手合する数珠の音
合歓の木の葉越しも厭へ星の影

能なしの眠たし我を行行子
暖簾の奥ものふかし北の梅
野ざらしを心に風のしむ身かな
呑み明けて花生にせん二升樽
蚤虱馬の尿する枕もと
海苔汁の手際見せけり浅黄椀
野を横に馬引き向けよほととぎす

這ひ出よ飼屋が下の蟾の声
萩原や一夜はやどせ山の犬
箱根こす人も有るらし今朝の雪
橋桁の忍は月の名残り哉
ばせを植ゑてまづ憎む荻の二葉哉
馬上落ちんとして残夢残月茶の煙
馬上眠からんとして残夢残月茶の煙
芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな
芭蕉野分盥に雨を聞く夜かな
芭蕉葉を柱に懸けん庵の月
蓮池や折らでそのまま玉祭
蓮の香を目にかよはすや面の鼻
裸にはまだ衣更着の嵐かな
畑打つ音や嵐の桜麻
初秋や海も青田も一みどり
初秋は海やら田やら緑哉
初秋や畳みながらの蚊屋の夜着
初午に狐の剃りし頭哉
八九間空で雨降る柳かな
初桜折りしも今日はよき日なり
初時雨猿も小蓑を欲しげなり
初時雨初の字を我が時雨哉
初霜や菊冷え初むる腰の綿
初茸やまだ日数経ぬ秋の露
初花に命七十五年ほど
初真桑四つにや断たん輪に切らん
初雪に兎の皮の髭作れ
雪の中に兎の皮の髭作れ
初雪やいつ大仏の柱立
初雪や懸けかかりたる橋の上
初雪や幸ひ庵にまかりある
初雪や水仙の葉のたわむまで
初雪や聖小僧が笈の色
鳩の声身に入みわたる岩戸哉
花あやめ一夜に枯れし求馬哉
花盛り山は日ごろの朝ぼらけ
花咲きて七日鶴見る麓哉
花と実と一度に瓜の盛りかな
花に明かぬ嘆きや我が歌袋
花にあかぬ嘆きやこちの歌袋
花に遊ぶ虻な喰ひそ友雀
花にいやよ世間口より風の口
花にうき世我が酒白く飯黒し
花に寝ぬこれも類か鼠の巣
花にやどり瓢箪斎と自らいへり
花に酔へり羽織着て刀さす女
花の顔に晴れうてしてや朧月
花の陰謡に似たる旅寝哉
花の雲鐘は上野か浅草か
花は賎の目にも見えけり鬼薊
花みな枯れてあはれをこぼす草の種
花見にと指す船遅し柳原
花木槿裸童のかざし哉
花を宿に始め終りや二十日ほど
葉にそむく椿の花やよそ心
破風口の日影や弱る夕涼み
蛤に今日は売り勝つ若菜かな
蛤の生けるかひあれ年の暮
蛤のふたみに別れ行く秋ぞ
蛤のふたみへ別れ行く秋ぞ
早く咲け九日も近し菊の花
早う咲け九日も近し宿の菊
原中やものにもつかず啼く雲雀
針立や肩に槌打つから衣
張抜きの猫も知るなり今朝の秋
張抜きの猫も知るべし今朝の秋
春風に吹き出し笑う花もがな
春雨の木下につたふ清水かな
春雨の木下にかかる清水哉
春雨や蜂の巣つたふ屋根の漏り
春雨や二葉に萌ゆる茄子種
春雨や蓑吹きかへす川柳
春雨や蓬をのばす艸の道
春たちてまだ九日の野山かな
春立つとわらはも知るや飾り縄
春立つや新年ふるき米五升
春なれや名もなき山の薄霞
春の夜は桜に明けてしまひけり
春の夜や篭り戸ゆかし堂の隅
春もやや気色ととのふ月と梅
春や来し年や行きけん小晦日
腫物に触る柳の撓哉
半日は神を友にや年忘れ

ぴいと啼く尻声悲し夜の鹿
東西あはれさひとつ秋の風
髭風ヲ吹いて暮秋嘆ズルハ誰ガ子ゾ
ひごろ憎き烏も雪の朝哉

一尾根はしぐるる雲か富士の雪
一声の江に横たふやほととぎす
人声やこの道帰る秋の暮
人ごとの口にあるなりした椛
一里はみな花守の子孫かや
一時雨礫や降って小石川
一つ脱いで後に負ひぬ衣がへ
ひとつ脱ぎてうしろに負ひぬころもがへ
一家に遊女も寝たり萩と月
一露もこぼさぬ菊の氷かな
一とせに一度摘まるる薺かな
人に家を買はせて我は年忘れ
一日一日麦あからみて啼く雲雀
人々をしぐれよ宿は寒くとも
人も見ぬ春や鏡の裏の梅
独り尼藁屋すげなし白躑躅
日にかかる雲やしばしの渡り鳥
日の道や葵傾く五月雨
雲雀鳴く中の拍子や雉子の声
雲雀より空にやすらふ峠かな
雲雀より上にやすらふ峠かな
ひやひやと壁をふまえて昼寝哉
百里来たりほどは雲井の下涼み
病雁の夜寒に落ちて旅寝哉
屏風には山を画書いて冬籠り
ひよろひよろと尚露けしや女郎花
ひよろひよろと転けて露けし女郎花
ひらひらと挙ぐる扇や雲の峰
比良三上雪さしわたせ鷺の橋
昼顔に米搗き休むあはれなり
昼顔に昼寝せうもの床の山
昼はなほ腹病煩の暑さかな
ひれ振りてめじかも寄るや男鹿島
鼓子花の短夜眠る昼間哉
琵琶行の夜や三味線の音霰
日は花に暮れてさびしやあすならう
貧山の釜霜に鳴く声寒し

風月の財も離れよ深見艸
風流の初めや奥の田植歌
吹きおろす浅間は石の野分哉
吹き落す石を浅間の野分哉
吹き落す石は浅間の野分哉
吹き落す浅間は石の野分哉
吹き飛ばす石は浅間の野分かな
吹く風の中を魚飛ぶ御祓かな
鰒釣らん李陵七里の浪の雪
富士の風や扇にのせて江戸土産
藤の実は俳諧にせん花の跡
富士の山蚤が茶臼の覆かな
富士の雪慮生が夢を築かせたり
不精さや掻き起されし春の雨
不精さや抱き起されるる春の雨
二俣に別れ初めけり鹿の角
二人見し雪は今年も降りけるか
二日にもぬかりはせじな花の春
二日酔ひものかは花のあるあひだ
船足も休む時あり浜の桃
文月や六日も常の夜には似ず
文ならぬいろはもかきて火中哉
冬籠りまた寄りそはんこの柱
冬知らぬ宿や籾摺る音霰
冬庭や月もいとなる虫の吟
冬の田の馬上にすくむ影法師
冬の日や馬上に凍る影法師
冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす
降らずとも竹植うる日は蓑と笠
振売の雁あはれなり恵美須講
古池や蛙飛びこむ水の音
降る音や耳も酸うなる梅の雨
古川にこびて目を張る柳かな
古き名の角鹿や恋し秋の月
旧里や臍の緒に泣く年の暮
古巣ただあはれなるべき隣かな
古畑やなづな摘みゆく男ども
分別の底たたきけり年の昏

蛇食ふと聞けばおそろし雉子の声
弁慶が笈をも飾れ紙幟

鬼灯は実も葉も殻も紅葉哉
蓬莱に聞かばや伊勢の初便
星崎の闇を見よとや啼く千鳥
蛍火の昼は消えつつ柱かな
蛍見や船頭酔うておぼつかな
牡丹蘂深く分け出づる蜂の名残かな
発句なり松尾桃青宿の春
ほととぎす今は俳諧師なき世哉
ほととぎす裏見の滝の裏表
ほととぎす隔つか滝の裏表
ほととぎす大竹藪を漏る月夜
時鳥鰹を染めにけりけらし
ほととぎす消え行く方や島一つ
ほととぎす声や横たふ水の上
ほととぎす声横たふや水の上
ほととぎす鳴く鳴く飛ぶぞ忙はし
ほととぎす鳴く音や古き硯箱
ほととぎす鳴くや五尺の菖草
郭公招くか麦のむら尾花
時鳥正月は梅の花咲けり
ほととぎす宿借るころの藤の花
ほろほろと山吹散るか滝の音

前髪もまだ若艸の匂ひかな
秣負う人を枝折の夏野哉
まづ祝へ梅を心の冬籠り
枡買うて分別かほなる月見かな
升買うて分別替る月見哉
まづ知るや宜竹が竹に花の雪
先づ頼む椎の木も有り夏木立
待たぬのに菜売りに来たか時鳥
またも訪へ薮の中なる梅の花
又やたぐひ長良の川の鮎鱠
町医師や屋敷方より駒迎へ
松風の落葉か水の音涼し
松風や軒をめぐって秋暮れぬ
松杉をほめてや風のかをる音
松茸やかぶれたほどは松の形
松茸や知らぬ木の葉のへばり付く
松なれや霧えいさらえいと引くほどに
待つ花や藤三郎が吉野山
またうどな犬ふみつけて猫の恋
窓形に昼寝の台や簟
真福田が袴よそふかつくづくし
眉掃を俤にして紅粉の花

三井寺の門敲かばや今日の月
見送りのうしろや寂し秋の風
三日月に地は朧なり蕎麦の花
三日月の地はおぼろ也蕎麦の花
三ケ月や朝顔の夕べ蕾むらん
三日月や地はおぼろなる蕎麦畠
見しやその七日は墓の三日の月
湖や暑さを惜しむ雲の峰
水寒く寝入りかねたる鴎かな
水取りや氷の僧の沓の音
水の奥氷室尋ぬる柳哉
水向けて跡訪ひたまへ道明寺
三十日月なし千年の杉を抱く嵐
見所のあれや野分の後の菊
皆出でて橋を戴く霜路哉
皆拝め二見の七五三を年の暮
水無月は腹病やみの暑さかな
水無月や鯛はあれども塩鯨
道のべの木槿は馬に食はれけり
道ほそし相撲取り草の花の露
身にしみて大根からし秋の風
蓑虫の音を聞きに来よ草の庵
都出でて神も旅寝の日数哉
宮守よわが名を散らせ木葉川
見る影やまだ片なりも宵月夜
見るに我も折れるばかりぞ女郎花
見渡せば詠むれば見れば須磨の秋

昔聞け秩父殿さへすまふとり
麦の穂を便りにつかむ別れかな
麦の穂を力につかむ別れかな
麦の穂や涙に染めて啼く雲雀
麦生えてよき隠れ家や畑村
麦蒔きてよき隠れ家や畑村
麦飯にやつるる恋か猫の妻
葎さへ若葉はやさし破れ家
武蔵野の月の若生えや松島種
武蔵野や一寸ほどな鹿の声
武蔵野やさはるものなき君が傘
むざんやな甲の下のきりぎりす
掬ぶより早歯にひびく泉かな

名月に麓の霧や田の曇り
名月の出ずるや五十一ヶ条
名月の花かと見えて綿畠
名月の見所問はん旅寝せん
名月はふたつ過ぎても瀬田の月
名月や池をめぐりて夜もすがら
名月や海に向かへば七小町
名月や座にうつくしき顔もなし
名月や児立ち並ぶ堂の縁
名月や門にさしくる潮がしら
名月や北国日和定めなき
飯あふぐ嬶が馳走や夕涼み
女男鹿毛に毛が揃うて毛むつかし
めづらしや山を出羽の初茄子
めでたき人の数にも入らむ老の暮れ
目にかかる時やことさら五月富士
目に残る吉野を瀬田の螢哉
目の星や花を願ひの糸桜

餅花やかざしに插せる嫁が君
餅雪を白糸となす柳哉
餅を夢に折り結ぶ歯朶の草枕
藻にすだく白魚やとらば消えぬべき
物いへば唇寒し秋の風
物書いて扇引き裂く名残かな
物書いて扇子へぎ分くる別れ哉
物好きや匂はぬ草にとまる蝶
物の名を先づ問ふ蘆の若葉かな
もののふの大根苦き話哉
もの一つ瓢はかろきわが世かな
もの一つ瓢はかろきわが世かな
物ほしや袋のうちの月と花
百歳の気色を庭の落葉哉
桃の木のその葉散らすな秋の風
もろき人にたとへん花も夏野哉
唐土の俳諧問はん飛ぶ胡蝶
門に入れば蘇鉄に蘭のにほひ哉

やがて死ぬけしきは見えず蝉の声・
薬欄にいづれの花を草枕
やすやすと出でていざよふ月の雲
痩せながらわりなき菊のつぼみ哉
宿借りて名を名乗らする時雨かな
宿りせん藜の杖になる日まで
柳行李片荷は涼し初真桑
藪椿門は葎の若葉かな
山陰や身を養はん瓜畠
山賎のおとがひ閉づる葎かな
山桜瓦葺くものまづ二つ
山里は万歳遅し梅の花
山路来て何やらゆかし菫草
山城へ井出の駕籠借る時雨哉
山寺の悲しさ告げよ野老掘り
山寺や石にしみつく蝉の聲
山中や菊は手折らぬ湯の匂
山の姿蚤が茶臼の覆かな
山は猫ねぶりて行くや雪の隙
やまぶきの露菜の花のかこち顔なるや
山吹や宇治の焙炉の匂ふ時
山吹や笠に挿すべき枝の形
山も庭も動き入るるや夏座敷
闇の夜きつね下這ふ玉真桑
闇の夜や巣をまどはして鳴く鵆

夕顔に干瓢むいて遊びけり
夕顔に米搗き休むあはれなり
夕顔に米搗き休むあはれ哉
夕顔に見とるるや身もうかりひよん
夕顔の白ク夜ルの後架に紙燭とりて
夕顔や秋はいろいろの瓢哉
夕顔や酔うて顔出す窓の穴
夕顔に酔うて顔出す窓の穴
夕晴れや桜に涼む波の華
夕にも朝にもつかず瓜の花
雪薄し白魚しろきこと一寸
雪悲しいつ大仏の瓦葺き
雪散るや穂屋の薄の刈り残し
雪と雪今宵師走の名月か
雪の朝独り干鮭を噛み得タリ
雪の中は昼顔枯れぬ日影哉
雪の河豚左勝水無月の鯉
雪間より薄紫の芽独活哉
雪や砂馬より落ちよ酒の酔
雪を待つ上戸の顔や稲光
行く秋の芥子に迫りて隠れけり
行く秋のなほ頼もしや青蜜柑

行く秋や手をひろげたる栗の毬
行く秋や身に引きまとふ三布蒲団
行く雲や犬の駆け尿村時雨
行く雲や犬の逃げ尿村時雨
行く駒の麦に慰むやどりかな
行く春に和歌の浦にて追ひ付きたり
行く春や鳥啼き魚の目は泪
行く春を近江の人と惜しみける
行く春や近江の人と惜しみける
行くもまた末頼もしや青蜜柑
湯の名残り幾度見るや霧のもと
湯の名残り今宵は肌の寒からん
柚の花や昔しのばん料理の間
夢よりも現の鷹ぞ頼もしき
湯をむすぶ誓ひも同じ石清水

酔うて寝ん撫子咲ける石の上
よき家や雀よろこぶ背戸の粟
よき家や雀よろこぶ背戸の秋
夜着ひとつ祈り出して旅寝かな
夜着は重し呉天に雪を見るあらん
よく見れば薺花咲く垣根かな
義朝の心に似たり秋の風
義仲の寝覚めの山か月悲し
吉野にて桜みせうぞ檜笠
夜すがらや竹氷らする今朝の霜
四つ五器のそろはぬ花見心哉
世に居りし人に取らせん木曽の橡
世に盛る花にも念仏申しけり
世に匂へ梅花一枝のみそさざい
世にふるも更に宋祇のやどりかな
世にふるは更に宋祇のやどりかな
米くるる友を今宵の月の客
世の中は稲刈るころか草の庵
世の夏や湖水に浮む浪の上
世の人の見付けぬ花や軒の栗
四方に打つ薺もしどろもどろ哉
世を旅に代掻く小田の行きもどり
夜ル竊ニ虫は月下の栗を穿ツ
よるべをいつ一葉に虫の旅寝して

蘭の香や蝶の翅に薫物す

龍宮も今日の潮路や土用干
龍門の花や上戸の土産にせん
両の手に桃と桜や草の餅

留守に来て梅さへよその垣穂かな
留守のまに荒れたる神の落葉哉

六月や峰に雲置く嵐山
六里七里日ごとに替る花見哉
艪の声波を打って腸凍る夜や涙
艪声波を打って腸凍る夜や涙
炉開きや左官老い行く鬢の霜

若葉して御目の雫ぬぐはばや
わが衣に伏見の桃の雫せよ
我がためか鶴食み残す芹の飯
我が宿は蚊の小さきを馳走かな
わが宿は四角な影を窓の月
別れ端や笠手に提げて夏羽織
煩へば餅をも喰はず桃の花
忘れ草菜飯に摘まん年の暮
忘れずば小夜の中山にて涼め
忘るなよ薮の中なる梅の花
早稲の香や分け入る右は有磯海
綿弓や琵琶に慰む竹の奥
侘びて澄め月侘斎が奈良茶歌
笑ふべし泣くべしわが朝顔の凋む時
我富めり新年古き米五升
我に似るなふたつに割れし真桑瓜
我も神のひさうや仰ぐ梅の花

Hello 囂kamabisu庵ann world